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  • 春の隙間を縫う金曜日

    目覚ましで起きるいつもの朝。でも今日は一人で目覚めた。
    いつもは隣に細君がいるのだが、今日は実家に帰り不在。
    起こさないように気を使っているが、今日は遠慮もなくカーテンを開けると朝日が出迎えてくれた。

    朝は筋トレが日課。トレーニング用のドリンクを作っていざジムへ。
    少し肌寒い朝の空気と対照的に、ジム着くといつにも増して熱気を感じた。念の為カレンダーで祝日でないことを確認した。別に祝日だから何か変わるわけではもちろんないのだが。

    肩トレはショルダープレスから、と思ったらスミスが埋まっている。仕方なくダンベルでやり始めると5分もしないうちに空いてしまう。
    5分我慢すればいいとも思うが、朝の5分を携帯を見て潰すのはなんだかもったいなく感じる。寝る前は平気でするのに。

    一通りトレーニングを終えて帰宅する。朝ごはんを食べながらメール・チャットのチェック。
    30分に1回押し寄せるミーティングの波が私の体力をさらっていく。でも私には、私には今日花金がある。そう思いじっとミーティングをこなす。春を待つ桜のように。

    時間が過ぎるのは早く、気がつけば定時。
    終了の合図は誰が出すわけではなく自分が出す。ちょっと残業したがいつもよりはマシな時間でチェックアウト。

    週末の始まり。

    今日は前職の馴染みで飲みに行くことになっていた。
    彼はむしろ辞めてからの方が仲良くなってしまい、気がつくと2ヶ月に一度くらいは飲みに行くようになってしまった、なんとも言えない関係性である。

    遅れてくるそうなので先に一人で散策。
    今日の会場は蒲田。予約はないが、たかだか二人ならふらりと入ってもなんとかなる。そんな淡い期待があった。

    街の気分は今の私の気分に合っていた。みんななんだか楽しそう。
    なんだかんだ練り歩き、立ち飲み屋に一人入り、常連そうなおじさんたちと肩を並べた。
    忙しなく働く店員さんを尻目に待つこと30分。合流。

    積もる話は2ヶ月に一度も会うと特にない。ただ、彼の話す仕事の話の中に、かつて自分が培った「会社員の文法」がふと頭をよぎる。辞めてはや1年近く、もう使わない言葉の響きに懐かしさを覚える。

    懐かしさも薄れて腹も満たされた頃、春の弱い雨の中我々は解散した。

    彼は明日も仕事らしい。彼にとっては花金ではなく平日の一部だったみたい。

    花金の終わりは体力の限界とともに迎えた。朝から活動すると眠くて眠くて仕方ない。
    最寄駅に降り立つも目指すは自宅。まだ花金を楽しみたい心と、早く寝たい体のギャップに老いを感じる。
    体に逆らえず帰宅。瞼を閉じた。